Publisher's Synopsis
賀の栄えた大和言葉、或いは祝う歌の面白さを判る為に、かの「君が代」の本歌と天明狂歌の赤良のめでたさ百歌を知る事が十分ではないと思います。ここに狩り集めた千首の和歌と、和歌のB面になる狂歌を、お読みになったら、読者諸君は、我が変な主張の意味を判り、納得してくれるかどうかを、楽しみにしておる。こちらは学者ではないからこれを試みと思えば、軽く書かれた。同じように軽く見て下さい。古典和歌を退屈と思う人も、逆に俗の歌をつまらないと思う人も、この「滑稽の蒸すまで」に微笑みと慰みも、見つけたら大成功です。更にもたいぶた事を言わせたら、本書を含む「古狂歌 気の薬あくまでも不完全大集」は、多義性と曖昧さを許す重層あってこそ豊かなる言葉遊びに満ちる日本語の本来の姿を守りながら、現在の日本人にも語学力を身につけて、国際化時代の言語的単純化に負けず、母国語のますます面白くなる将来を創りたいと思う人々の滋養剤になったら、と云う願望で書かれた。本書は、御代や君が代や国や民やおまけに私的祝いの題に限られているが、「古狂歌」全巻も大和言葉の面白さを祭り上げる可笑しな日本語の私の「国語礼賛」になります。(前置より)